マイナンバー制度について

2015年4月10日 22時29分 | カテゴリー: 活動報告

今年10月より番号通知カードが各世帯に郵送され、来年1月より、個人番号の利用、個人番号カードの交付が始まる予定です。しかし、このマイナンバー制度は、様々な問題が指摘されている上に、省令交付やシステム整備など国の準備も遅れています。

昨年12月に、世田谷区は特定個人情報保護評価のパブリックコメントを実施しました。この特定個人情報保護評価は、事前対応による個人のプライバシー等の権利利益侵害の未然防止と、国民・住民の信頼の確保を目的とし、パブコメで寄せられた意見を十分考慮して必要な見直しを行うこととしています。パブコメでは、情報漏えいや国家の管理下へおかれることへの懸念など、多くの不安の声が寄せられました。

・DVやストーカー等の被害者への対策について

命にかかわる事態を招く場合もあり、番号通知カードが本人に確実に届く方法、さらに、制度開始後も、情報連携などにより、被害者の情報が提供されることのないよう慎重な検討が必要です。

特に住民票を移動していない方に関しては、現在、申し出によって、住民票のある所でなく、別の場所に郵送できるよう検討が進められています。この制度が有効に機能するためには、こうした申し出が必要なこと、さらに、通知カードの重要性や番号を不用意に知られることなど危険性について充分に周知することが必要です。

 

・住民票のない人、認知症行方不明者など住所や戸籍の不明な人への対策

住基ネットを基礎とした番号制度でどう把握してサービス提供するのか明確になっていません。就職などで番号の記入やカード提示が義務付けされた場合、個人番号やカードを持てない人をどうするのか、また、福祉サービス受給など行政サービスや社会生活から排除されるのではないかという懸念もあります。真に手を差し伸べなければならない人が、これまで以上にサービスを受けにくくなる可能性があります。対策が必要です。

 

・マイナンバー制度のリスクの周知について

 昨年、世田谷区において、住基カードを偽造し、住民票を搾取する事件が発生しました。過去にも、他人の住基カードを成りすまして不正取得した事件も発生しています。個人番号カードは写真付きカードであり、交付に際しては、対面で本人確認することで、成りすましを防止するとしていますが、カード利用について万全対策は難しいのが現状です。

他の自治体も含め、これまでのカード利用における成りすまし被害や偽造利用などの実態を把握するとともに、その危険性について区民に周知することが必要です。

 

・中間サーバーのリスク対策について

区は、細かい内容は国にお任せとしていますが、問題があった時の責任は区にあります。情報公開・個人情報保護審議会審議会からも指摘されていますが、区もリスクに対し、専門機関を設け、検証を進めていくことが必要です。

 

・独自利用について

複雑な情報連携システムのなかで、個人情報の突合のミスやコンピュータシステムの不具合によって誤った個人情報の結合や情報連携がされる可能性も指摘されています。その他、住民票の無い方や戸籍の不明な方への対応など多くの問題が解決されていない中、不安を感じている人が多い半面、マイナンバー制度について全く知らない人もいます。区が、今やるべきことは、リスクに対し充分に検討し、問題が起こらないように慎重な対応を進めるとともに、区民に対して、安全な利用ができるように充分に周知し理解を進めることです。独自利用に関しては、慎重にすべきです。

個人番号の独自利用についても、その必要性に疑問が指摘されています。またカードの一本化など個人番号カードの独自利用は慎重にすることが必要です。

 

昨年7月に集団的自衛権行使容認が閣議決定した直後、防衛省が自衛官募集のDMを郵送するために、自治体に適齢者の情報提供を求め、これに対し71%の自治体が、住民基本台帳に記載されている情報を提供したことが明らかとなりました。世田谷区は、抽出した写しを閲覧させています。これは、住基台帳法の趣旨に反し、過剰な情報提供と指摘されています。

マイナンバー法は、そもそも社会保障と税務、災害対策の3分野での利用のはずでしたが、情報提供の相手が、捜査機関へ広く認められ、警察の刑事事件捜査だけでなく、公安調査庁が治安の調査などで裁判所の令状がなくても収集できるようになりました。その上、こうした捜査機関は、マイポータルや特定個人情報保護委員会のチェックの対象外になっています。そのため、国民管理や治安維持に利用されるのでないかとの声もパブリックコメントに寄せられています。今後、医療分野の活用、銀行など民間等への利用拡大も検討されていますが、区民の安全を守るために、世田谷区が率先して、こうした利用拡大に対し、国に意見することも必要です。スケジュールを優先することの無いよう、場合によっては、スケジュールを延長し、慎重に進めていくことを、決算特別委員会で求めました。