インクルーシブ教育への一歩~学校包括支援員について

2015年4月10日 01時24分 | カテゴリー: 活動報告

障がいの有無に関わらず、全ての子どもを受け入れ、ともに育ち、ともに学ぶインクルーシブ教育は、障害のある子どもの自立と社会参加を進め、地域の中で生きていくための力を養うだけでなく、お互いを理解し、ともに助け合っていくことを学び、社会性や豊かな人間性を育くむなど、全ての子どもによい効果をもたらします。

世田谷区では、地域に障がい者施設の開設が地域の反対の声により、できなくなってしまうということが時々起きています。このインクルーシブ教育は、障がい者理解を進め、共生社会、社会的包摂の実現のためにも大変重要です。

日本は、昨年一月に「障害者権利条約」の締約国になりました。障害者権利条約が目指すインクルーシブ教育は、障害があっても必要な配慮や支援によって通常学級でともに学ぶことを原則としています。日本では障がい児教育として、特別支援教育を進めていますが、国連・子どもの権利条約委員会から、これは分離別学体制であるとして、統合教育を進めるよう勧告を受けています。条約批准に伴い、日本においても条約が求めるインクルーシブ教育実現に向けて一層の取り組みが求められます。

この4年間、このインクルーシブ教育について議会で何度も取り上げてきました。

これにより、昨年3月策定の「第2次世田谷区教育ビジョン」や今年3月策定の「せたがやノーマライゼーションプラン」にインクルーシブ教育システムの構築について盛り込むことができました。

また、今年度、新たに「包括支援員」の職員がいくつかの学校に配置されました。学校職員紹介の学校からのお手紙を見て、「これって何?」と思った方も多いのではないでしょうか。

この「包括支援員」は、インクルーシブ教育を推進するために、昨年度より、区が独自に取り組みを始めたものです。区立小中学校に在籍する配慮を要する子ども(発達障がいなど障がいを持つ子ども)一人ひとりの教育的ニーズに対応するために、学習活動や学級での活動を支援します。現在、26名の「学校支援員」を教育センターから必要に応じて随時派遣するサポート体制を講じていますが、これを更に充実させるため、昨年度に、新たに学校包括支援員3名をモデル的に配置しました。「中学校1校と複数の小学校から成る学校グループ」に対して配置し、同じ支援員が同じエリアで継続して配慮を要する子どもたちに対応できるようにしています。

将来的には、全ての学校グループに複数の支援員を配置し、よりきめ細やかな対応ができるよう取り組んでいく予定です。

しかし、まだ人工呼吸器など医療的ケアの必要な子どもが区内の小中学校に通うためには、保護者の付添が必要となるなど、インクルーシブ教育実現にはまだまだ取組まなければならない課題がたくさんあります。

障がいを持つ子どもの保護者から、「出産後、子どもに障がいがあるとわかった時に落ち込むがそれは乗り越えられる。でも、小学校入学時に再び大きな壁が立ちはだかり、そこでの傷つきをずっと引きずっている人は少なくない」と聞きます。

小学校入学時に、子どもにとって、何が最善なのか、子どもと一緒に考え、そして通常学級を選択した場合には、それをできる限り可能にする体制づくりに、これからも引き続き取組んでいきたいと思います。