平成27年第1回定例会一般質問が終わりました~「妊娠期から若者までの切れ目のない支援について」「若年性認知症対策について」

2015年2月26日 22時45分 | カテゴリー: 活動報告

今期最後の一般質問が終わりました。
今回は、「妊娠期から若者までの切れ目のない支援について」、そして「若年性認知症対策について」の2点について質問しました。概ね、前向きな答弁をもらうことができました。

特に、今回質問準備のための行政とのヒアリングの中で、特に若年性認知症の就労支援においては、障がい福祉サービスの利用が欠かせないにも関わらず、未だ連携が出来ていないことが明らかとなりました。早急に連携体制を構築していくことを求めました。

 

以下、質問原稿です。

◇妊娠期から若者までの切れ目のない支援について

今月に入って、育児不安を理由に母親が幼い子ども2人を殺害するという痛ましい事件が2件も発生しています。こうした事件の背景には、誰にも相談できない、助けを求められない、そして、誰も手を差し伸べないという、「孤立」した状態があります。

こうした状況を解決するためには、子どもの時から、気軽に話したり、相談できる安心な場所があること、また、助けを求める力をつけることが大切です。

世田谷区子ども計画第2期案に掲げられた「妊娠期から切れ目のない支援」は、子ども達が生まれる前から切れ目なく見守られ支えられるという、子どもの視点から大変重要です。

切れ目のない支援として、特に課題となっているのは、義務教育が終了する中学校卒業以降の世代です。中学生までは、自治体として課題を把握しやすいですが、高校生になると生活圏も広がり、地域とのつながりがほとんどなくなります。特に中学卒業後に進路が決まっていない、また進路が決まらないまま高校を中退するとニート状態に陥りやすく、年齢を重ねるとともに抜け出しにくくなるという実態があります。また、就労しても正規雇用につきにくく、貧困の連鎖も危惧されています。そのため、国も高校中退の予防や高校中退者に対する早期支援の必要性を指摘しています。こうした子どもは、家庭環境、経済面、発達障がいなど様々な課題を抱えている場合が多く、就学・就労支援、居場所づくりなど、多様な支援が必要です。見解を伺います。

 世田谷区において、平成25年の10代の出産は18人、うち16~18歳が10人です。この世代の妊娠の多くは望まない妊娠です。10代の出産は、精神的にも未熟で、安定的な養育が行われない、また就学が途切れてしまうという課題があります。また、この10年間に虐待により死亡した子どもの4割がゼロ歳児、うち0日・0か月児は111人で、9割が「妊婦健診未受診」、7割が「望まない妊娠」です。妊婦健診未受診で出産すると、子どもも母親もリスクが高まり、出産後子どもを虐待する可能性も高いという調査結果もあります。こうした妊娠の対策として、妊娠に特化した相談ができる電話相談を開設する自治体が増えてきています。世田谷区においても、電話やメールなどで相談が受けられる体制の整備、そして、予防するために、中学校での性教育の充実や相談場所などの情報提供が必要です。見解を伺います。

孤立せず、安心して出産し育児ができることは、子どもの健やかな育ちを支えるために大変重要です。フィンランドでは、地域に子育て家庭の支援拠点「ネウボラ」を設置し、全ての家庭に対し、出産前の検診から子どもの就学まで同じ保健師が継続して相談や支援をしています。家族全体をサポートし、保育園や学校などとも連携しています。支援の必要な家庭へ寄り添い、個別な対応を妊娠期からはじめることは、様々な課題の予防につながります。また、いつも同じ人に話を聞いてもらえることは、相談へのハードルをさげることができます。和光版ネウボラとして、取組みを始めた和光市では、自分でリスクを感じ、自分から相談に来る保護者が増えているといいます。

東京都も東京版ネウボラを新年度よりスタートし、保健師の人件費の補助や育児パッケージ事業を実施するとしています。世田谷区も検討会を設置して、取り組みを検討するとの事ですが、検討会に子育て当事者や支援者、助産師など多様な参加を進め、区内の様々な資源を活かした世田谷版ネウボラに早急に取り組むべきです。相談しやすい体制をつくるためには、妊娠期に貴重な行政との接点となる妊娠届提出・母子手帳交付を子育て支援拠点で行い、面談を通して顔の見える関係をつくること、また、その後も同じ人が継続して相談できるように、助産師や保健師などを配置することが必要です。見解を伺います。

 

◇若年性認知症対策について

区内で唯一若年性認知症のデイサービスを週一回実施ている「デイ・ホーム太子堂」

~平成25年に「認知症在宅生活サポートセンター構想」を策定し、認知症においてトップを走り始めようとしている世田谷区において、若年性認知症についても、希望と尊厳を持ち、安心して暮らしていけるために積極的な取組みを求めました~

若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症を総称したものです。平成21年の調査では、全国における若年性認知症者数は、37,800人と推計されています。

この病気は、働き盛りの現役世代に発症するために、本人、家族の精神的負担や経済的損失は本当に深刻です。介護者となる配偶者は、子育てや親の介護なども同時に抱えるなど介護の負担は大きく、また子どもは未成年の場合も多く、親の病気を受け入れられず、不登校や非行、暴力など不適応症状につながることもあり、家族や子どもへのサポートは欠かせません。また、病気に対する理解が進んでいないため、受診や告知までに3~5年、さらに診断から支援につながるまでの空白期間も平均約2年と長く、その間、社会から孤立して家族だけで問題を抱え込んでいるケースも少なくありません。周囲の誤解や偏見のために、他人や介護サービスを拒否し、本人を家に閉じ込めている事もあります。

その上に、施設や医療機関などの社会資源や利用できるサービスも少なく、制度化が遅れているのが現状です。

先月27日に認知症施策推進総合戦略「新オレンジプラン」が公表され、「若年性認知症施策の強化」が大きな柱として掲げられました。世田谷区でも支援充実に向けた積極的な取組みが必要です。

まずは、支援につながるまでの空白期間を短くし、発症初期の段階から適切な支援につなげることが必要です。東京都の調査によると、相談を受けるきっかけで一番多いのは、ホームページです。しかし、世田谷区のホームページは、総合的な情報を得る手段としては不十分で、改善が必要です。見解を伺います。

 若年性認知症は、本人や家族の心理的衝撃は大きく、支援が医療や介護、障がい福祉サービス、経済的支援、就労支援、本人や配偶者・子どもへの心理的サポートなど多岐の分野にわたるために、相談における充分な情報提供や高いコーディネート力が必要で、経験や専門性が求められます。世田谷区では、各あんしんすこやかセンターで相談を受けていますが、課題に充分に対応してもらえないなどの声があります。また、東京都の調査で、多くの相談拠点があることは対応事例が蓄積できないなど課題があるとしています。若年性認知症は、若年性認知症に特化したワンストップの総合相談窓口の設置と支援ネットワークの構築が必要です。見解を伺います

 町田市にある若年性認知症対象のデイサービス「DAYS BLG」では、利用者は有償ボランティアとして、地域の企業や店舗から仕事を受け働いています。仕事を通じて、社会とつながる喜びを感じ、やる気と自信を取り戻しています。また、地域の理解を進め、支援の輪を広げることにもつながっています。

若年性認知症は働き盛りの世代であり、働きたい、役に立ちたいという思いが強く、就労や社会参加への支援は大変重要です。進行性の認知症であっても、働き続けることにより症状の進行速度が緩やかになるという指摘もあります。就労継続に向けた企業の理解促進のための啓発や医療と連携したサポート体制づくり、ハローワークとの連携、就労型プログラムを提供するデイサービスの設置など、一人ひとりの能力や状態に合わせた就労継続や社会参加への支援が必要です。特に就労支援には、障がい福祉サービスの就労継続支援事業などの利用が有効ですが、未だ連携ができていません。早急な対応を求めます。見解を伺います。

若年性認知症については理解が進んでいなく、施策を進めていく上で当事者の参画が欠かせません。世田谷区の若年性認知症者数は約270人と推測されますが、区の介護保険につながっている方は約50人、残りの約200人は把握ができていません。今回の新オレンジプランに、「当事者や家族の視点の重視」が掲げられました。世田谷区でも、ニーズや課題発見のための実態調査や意見交換会の開催、政策決定過程や検証への当事者や家族の参画を進めていくことが必要です。見解を伺います。

世田谷区は、認知症在宅生活サポートセンター構想を策定し、認知症においてトップを走り始めようとしています。若年性認知症についても、希望と尊厳を持ち、安心して暮らしていけるために積極的な取組みを求めました。