若者支援について

2014年1月18日 10時17分 | カテゴリー: 活動報告

 ・若者の専門所管の設置

日本の景気は緩やかに回復しつつあるとされているものの、非正規雇用の増加、平均給与の低下、ブラック企業の社会問題化と雇用状況は依然として厳しい状況が続いています。そのため、社会的自立できず、ニートやひきこもり状態の若者が増加し、2012年にはニートは過去最高の63万人に達しています。

また、貧困や虐待、不登校やいじめ、発達障害、性同一性障害など、課題は複雑化しています。

世田谷区では、20~30代の若者の自殺率が他地域と比べて高いという傾向にあり、生きづらさを抱えた若者への支援は喫緊の課題です。

しかし、若者世代への施策は非常に希薄で、充分な支援につながれず、ひきこもりが長期化し、解決が困難になっているケースも少なくありません。

生活者ネットワークは、若者の社会・経済的自立を社会全体で応援するために、雇用や教育、保健、医療、福祉など様々な関係機関と連携し、若者の総合的な支援のための専門所管、たらい回しにされることなくワンストップで相談できる窓口の設置、自立のための就労支援、地域とのつながりをつくるための活動拠点の必要性などについて訴えてきました。

昨年度、長年の主張が実現し、世田谷区に若者の専門所管として、若者支援担当課が設置され、10月には就職活動を総合的に支援する三軒茶屋に就労支援センターが設置されました。さらに、今年は、中高生など若者の活動拠点の整備やワンストップ相談窓口の設置など様々な若者施策が進む予定です。

・若者の活動拠点

中高生が公園やコンビニ前で集まっているだけで、警察や学校に通報されるなど、中高生に対する社会の目は冷たく、中高生が気軽に集まれ、安心して活動できる場所が地域の中でほとんどないのが現状です。

杉並区では、中高生の居場所として杉並区立児童青少年センター「ゆう杉並」を設置しています。中高生が建設前の設計の段階から関わり、館内には音楽やダンススタジオ、学習コーナー、体育館、調理室などがあり(延床面積2,895㎡)、中高生が運営にも参加できるようにしています。

こうした居場所は、地域とのつながりをつくり地域参加を促進するとともに、音楽やダンスなど子どもの力を育て発揮する場所として、また、生きづらさを抱えた子どもの相談場所としても大切で、世田谷区でもこのような中高生の居場所の設置を求めてきました。

現在、中高生の居場所のモデル事業として、千歳烏山駅前に実験的に中高生世代応援スペース「オルパ」を開設しています。年齢の近い若者中心のNPOが運営することで、多くの中高生が気軽に立ち寄るとともに、家庭的に困難を抱えている中高生の安心できる場所にもなっています。

この事業は、今年の2月で終了となりますが、今後、地域1ヵ所(区内5カ所)の児童館で、若者の交流と活動場所としての機能を拡充していくとともに、池之上青少年会館や青年の家、また学校跡地を活用した新たな設備において、(仮称)青少年交流センターとしての取組みを進めていきます。こうした若者の活動拠点において、オルパの経験を活かし、中高生や若者が運営にも主体的に関わっていけるようにするとともに、困難を抱える子どもへのカウンセリングやソーシャルワークできる職員の育成が必要です。

・今後に向けて

若者は、社会を構成する重要な主体であり、将来の日本の担い手として、成長し、力を発揮するためにも、若者への支援は大変重要です。

子どもや若者の地域参加を促すためには、居場所とともに、活動や意見が地域の中で尊重されることが必要です。また、一旦学校や仕事から離れても、いつでもやりなおしが出来るよう、相談支援の充実と様々な機関との連携、相談に関わる人材の育成が必要です。また、若者支援や施策に、当事者の意見やニーズを反映させるとともに、有効に機能しているか検証していくことが必要です。

子どもや若者が、自分の力を発揮し安心して過ごしていけるよう、一人ひとりの人権が尊重され、成長発達を途切れることなく支えられる社会の実現を目指し、これからも取組みを進めていきます。