医療的ケアを必要とする子どもへの支援 〈1〉重症心身障がい児(者)への支援

2013年4月22日 11時35分 | カテゴリー: 活動報告

どんなに重い障がいがあっても、人権が尊重され、豊かな生活を送り、能力や可能性を最大限に伸ばすことは保障されなければなりません。
医療の進歩により、入院生活を余儀なくされてきた医療的ケア(たんの吸引や経管栄養注入など)の必要な難病の患者や重度障がい者の在宅での生活が可能となり、地域で生活する方が増えてきました。世田谷区でも、国立成育医療研究センターがあることで、重度の障がいや医療的ケアの必要な子どもが増えています。

日本では、高齢者への対策や支援は進んできましたが、障がい者については先進国の中でも遅れていて、当事者や家族に負担を強いているのが現状です。
特に、障がい児政策は非常に遅れており、昨年4月の児童福祉法改正により、どのような障がいでも身近な地域で適切な支援が受けられるように、障がい児への支援の強化が位置付けられました。
障がい児(者)が地域で安心して住み続けられるために、生活を社会的に支える体制の整備が必要です。

以下、平成25年第1回定例会一般質問でこの問題について取り上げましたので、ご報告します。

 <医療的ケアを必要とする子どもへの支援について① ~重症心身障害がい児(者)への支援~>

昨年10月に、「全国重症心身障害児(者)を守る会」が作成した、「地域生活モデル事業中間報告書」によると、重症心身障がい児(者)は全国に約38,000人、世田谷区には250人程度いると推計されています。しかし、区内には、重症心身障がい児対象の施設は、利用人員25名分の乳幼児対象の「あけぼの学園」(全国重症心身障害児(者)を守る会が運営する重症心身障がい児(者)通園施設)のみで、しかも、保護者の付き添いが原則となっています。また、入所施設、短期入所は未だに整備されていないため、利用する場合は、他の自治体の施設を利用しているのが現状です。こうした施設は、在宅の生活を支えるためにも欠かせません。

 世田谷区では、平成26年度に、成城8丁目に短期入所、北烏山3丁目に児童発達支援や放課後等デイサービス、短期入所などの施設整備が予定されています。しかし、24時間の医療体制については明確に示されていません。設置にあたっては、重症心身障がい児など、医療的ケアが必要でも安心して利用できるように、看護師などの医療スタッフを常駐することが必要です。
この件について、第1回定例会において質問したところ、区からは、

・医療スタッフを含めた職員配置や地域の医療機関との連携体制など、開設に向けて区や関係機関と、医療的ケアを要する重度の障がい児(者)に対応できる施設運営を目指し、準備を進める。

・施設の運営基盤が安定し、質の高いサービスが提供されるよう、地代補助を行うほか、重度の障がい児(者)が短期入所を利用する場合の運営費補助など、運営法人の支援に努める。
との回答をもらいました。

 重症心身障がい児(者)の施設・整備運営は、東京都が担ってきましたが、児童福祉法改正により、平成24年度より、障がい児通所施設の実施主体は区市町村に移行しました。
医療的ケアが必要な障がい児(者)が増えている中で、各地域に医療的化にも対応できる施設整備が必要です。世田谷区もその必要性は認識しており、東京都の運営費補助金を拡大するよう都と協議を進めています。

さらに、区内に施設整備を進めていくためには、事業者参入を促進するために、看護師など医療スタッフ配置への助成など、区としての対策が必要です。
杉並区では、障がい者支援施設で医療的ケアの必要な障がい者にも対応できるよう、医師や看護師など医療スタッフ配置や送迎バスへ補助金を出しています。

重度の障がいがあっても、安心して地域で暮らせるために、施設整備に関し、今後とも要望を続けていきます。