インクルーシブ教育について

2013年3月18日 10時02分 | カテゴリー: 活動報告

つくば市から世田谷区の特別支援学級に転入された方から相談を頂きました。つくば市では、特別支援学級に在籍していても、主要科目以外は通常学級で授業を受けられ、遊び時間も同じクラスの仲間として一緒に遊んでいた。しかし、世田谷区では、通常学級との交流は週一回の給食と特別支援学級の仕事として与えられているエコキャップ運動のみ。しかも、通常学級の子ども達や先生の理解がなく、その居心地の悪さから嫌がって暴れてしまい、クラスの子どもからも「やっぱり変な子、気持ち悪い」などと思われるだけ。かえって子どもたちに悪い影響を与えている。登下校時も親と一緒でも平気でからかったり、ひどい言葉をかけてくる。先生も、通常学級に迷惑をかけないようにということが前提で、交流といっても形骸化している。世田谷区はインクルーシブ教育についてどのように考えているのかということでした。

「障害者権利条約」は、インクルーシブ教育を受ける権利の保障を定めています。日本は条約批准に向けて、平成23年に障害者基本法が改正され、「障害のある子どもと、障がいのない子どもが可能な限り共に教育を受けられるよう」配慮し、子どもと保護者の意向を可能な限り尊重することが規定されました。平成19年より特殊な場で教育を行う「特殊教育」から、全ての学校において一人ひとりのニーズに応じた指導や支援を行う「特別支援教育」に転換しました。しかし、現在の特別支援教育は、相変わらず分離を前提に制度化されているのが現状です。

まず、世田谷区において、特別支援学級と通常学級との交流について現状を伺います。

ごく一部交流しているとの事ですが、こうした交流は、障がいのある子と出会うきっかけにはなりますが、同世代の仲間という意識は育たず、自分たちと違う存在だと感じるだけという指摘もあります。

文京区では、インクルーシブ教育を進めるために、今年1月に特別支援学級と通常学級との間で実施される『文京区立学校の「交流及び共同学習」共に育つためのガイドライン』(素案)が示され、26年度策定に向けて、特別支援学級設置校で試行されます。特別支援学級に在籍しながら、個々のニーズに応じ、朝の会から授業、行事等、通常学級への参加を前提としていて、仲間であることを実感し、安心して参加できるように工夫や配慮を実施するとしています。

また豊中市では、早くから、障がいのある子どもには、特別支援教育ではなくインクルーシブ教育が必要と、障がいのある子どもも地域の学校で共に生活し学んでいます。

インクルーシブ教育は、障がい児の自立と社会参加を促進し、地域の中で生きていくための力を養います。

また、共に助け合って生きていくことを学ぶことで、すべての子どもの社会性や豊かな人間性を育成し、共生社会実現のためにも大変重要です。

 

文部科学省は25年度から改正障害者基本法の趣旨を踏まえ、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組みを進めるために、モデルスクールやモデル地域を募集しています。世田谷区も、モデル地域としてインクルーシブ教育推進に向けた取組みが必要と考えますが、見解を伺います。

 

国のモデル事業として検討を進めるとの事ですが、子どもの主体性を尊重し、障がいのある子どもが通常の学級で学ぶことができるよう配慮や支援を進めていくとともに、特別支援学級への在籍を選択した場合についても、通常学級で共同学習できるように進めていくという事でよいのでしょうか?

 

インクルーシブ教育については、今までの特別支援教育の延長線上にあるものでなく、これを進めていくためには、その必要性や意義について、教職員や保護者への理解を充分に進めていく必要があります。見解を伺います。

私たち社会の障がい者への偏見や差別意識はまだまだ根強く、障がい者との分離により、成長過程において接触する機会がなかったことも要因の一つです。だからこそインクルーシブ教育は、障がいのある子どもにもない子どもにも重要です。世田谷区の中でも区立幼稚園はインクルーシブ教育の非常に良いモデルです。この良さを存続させること、小中学校での取り組みへ広げていくことを要望します。