今中哲二さん講演会レポート

2012年10月30日 15時06分 | カテゴリー: 活動報告

<チェルノブイリの教訓から学ぶ~低線量被曝の影響>
  ~ 今中哲二さんに聞く 福島原発事故がもたらした放射能汚染の実像 ~

今中先生は、京都大学原子炉実験所助教で、原子力研究の中にいながら、“原子力をやめることに役に立つ研究”に徹してきました。チェルノブイリ原発事故後には、現地に入り、調査を繰り返し、国際共同研究報告などにまとめました。また、福島原発事故直後には、大変な汚染があることがわかっていながら、何の警告も出さない政府に代わり、調査チームを立ち上げ、飯舘村にて汚染状況を調査し、正確なデータ・事実を発信し続けてきました。

チェルノブイリ周辺の国ウクライナでは、事故から5年後に、子ども(特に事故当時0~14歳)に甲状腺ガンが増え始めましたが、広島・長崎ではガン発症は10年後で、そんなに早く影響が出る訳がないと放射能との関連は否定されました。今年、福島の子どもに甲状腺ガンの子どもが見つかりましたが、やはり早すぎると否定しています。今中先生は、結果をきちんと観察することを訴えています。

 放射線による影響はガンだけではありません。1996年のベラルーシの子どもの健康状態調査では、汚染地域であるゴメリ州では、非汚染地域の子どもと比べて、明らかに健康上問題ない子どもが少なく(1/3以下)、慢性病か、機能上の問題が認められる子どもは倍以上に増えています。 

日本においても、子どもたちを守るためには、最低限、以下のことが必要だとおっしゃっています。
・登録制度を作り、全員の被曝量を見積もる
・定期的に健康診断を行う
・近隣の汚染の少ない地域とともに、子どもたちの健康状態を追跡調査するシステムを確立する(学校で行う定期的な健康測定などで)
・被曝量に関わらず、原発事故に関連する健康被害のケアを法律で制度化する

 今回の事故では、格納容器内の放射性物質が、海に大量に流されてしまい、プルトニウムやストロンチウムなどの放射性物質による海産物への影響も大変深刻です。特に、海底のどこに放射性物質が蓄積されるか予想もできないため、海産物の測定体制を充実していかなくてはなりません。

また、東京の土壌も放射能汚染され、決して無視できないレベルです。
改めて、今回の事故の重大性を感じ、このような事故を二度と起こさないためにも、事故当時、国が機能しなかったことに対し、きちんと検証する必要性を感じました。

 10月19日に提出した生活者ネットワークの2013年度予算要望書において、子どもへの放射線対策の一層の充実、特に、子どもの放射線の健康影響調査については、学校の健康診断の調査項目に入れるよう要望しました。今後、これらを実現できるよう求めていきます。