第3回定例会報告~いじめ・不登校対策について

2011年10月1日 09時41分 | カテゴリー: 活動報告

 

文部科学省の2010年度児童生徒の問題行動調査では、全国のいじめ件数は7万5295件と、前年度から2517件増え、2006年度以降初めて増加しました。いじめによる自殺も増え、昨年10月の、群馬県桐生市小6女児の自殺は記憶に新しいことです。最近は、目立つというだけの理由でいじめが発生する場合も多く、集団化しやすく、またいじめられた子もいじめられていることを人に話したり、助けを求めようとせず、潜在化し深刻化しやすい傾向にあります。いじめ対策には、予防・早期発見・早期対応が重要で、学校と行政が連携した対策が求められています。

いじめの原因は、複雑化していますが、相手の気持ちを理解する共感能力や、トラブルが起こった時に感情をコントロールし問題を解決する能力、自分の気持ちを言葉で相手に伝えるコミュニケーション能力が低下していることも原因の一つです。こうしたコミュニケーション能力や社会性は、様々な対人関係によって獲得されるものです。しかし、集団遊びが減り、ゲームなどの一人遊びの増加、また隣近所など地域社会との関わりも薄く、子ども達が良好な人間関係を育む能力を身につける機会が少なくなっている現在、学校教育での取り組みが求められています。特にいじめ予防のためには、毎日の指導の中に位置づけ、着実に実践を積み重ねられるよう、道徳や総合学習の時間などを活用し、学校全体で継続的に取り組むことが必要です。品川区では、5年前より全小学校でNPOと協力して、セカンドステップというコミュニケーション能力を高める教育プログラムを全小学校で小1~小2の授業に導入し、言葉や身体的暴力など反社会的行動の減少や問題解決能力の向上など、効果を上げています。教育ビジョン第3期行動計画に新しく掲げられた「持続可能な発展のための教育」の中に記載されている「他人との関係性を認識し、『関わり』『つながり』を尊重できる個人を育む」ためにも、こうした学習は不可欠です。コミュニケーション能力や社会性を育む教育プログラムの全校的な導入を世田谷区でも進める必要があると考えますが、教育委員会の今後の取り組みについてお伺いします。

また、区内には、区立小中学校の不登校児童・生徒は約400人います。不登校のきっかけ・要因は複雑化・多様化し、状況に合わせたきめ細やかな対応や支援が必要です。区は、不登校への取り組みとして、本年度より不登校相談窓口を設置し、スクールソーシャルワーカーなどの教育相談員が、子どもや保護者からの相談を受けています。特に子どもの最善の利益を考え、福祉的な立場から、親など子どもを取り巻く環境に着目し、子どもにとって必要な支援が受けられるよう専門機関につなぐ役割を果たすスクールソーシャルワーカーの存在はとても重要です。現在、世田谷区に配属されているスクールソーシャルワーカーは一人のみですが、5月から4カ月の不登校相談窓口での相談件数は延べ62名、対応件数は143回と、一人で対応するには大変難しい状況です。子どもの立場に立った相談体制や支援を充実するためには、スクールソーシャルワーカーの増員を含めた相談機能の強化が求められますが、区の見解をお伺いします。

また、世田谷区子ども条例にあるように、「不登校の子どもが一人の人間としていかなる差別もなく、その尊厳と権利が尊重され、すこやかに育ち、本来持つ力を発揮できるようにする」ためには、学校外での多様な学び、育ち、生き方を支援し、ありのままを受けとめてくれる居場所を作ることが重要です。区は、不登校の児童・生徒が通える施設として、2か所のほっとスクールを設置しています。ほっとスクールには現在約30名通っていますが、小集団活動に参加できる状況になっていない子どもや、遠方から通うことが困難なこども、発達障害の子どもへの対応には不十分で、フリースクールなどの民間の施設に頼っているのが現状です。区は、子どもの立場に立った多様な居場所の充実や、学校以外での学ぶ権利の保障、そして地域全体でこうした子どもに関わり、支えていくために、フリースクールなどの民間施設への支援が必要と考えますが、区の今後の取り組みを伺います。